オステオパシーについて
オステオパシーは、単なるテクニックの名前ではなく、診断と治療に関する確立された医療体系です。身体の構造と機能の完全性を重視し、痛みや障害のほとんどは身体構造の機能異常や病気による身体構造の障害から引き起こされると考えます。英国ジェネラル・オステオパシー・カウンシルによる定義では、オステオパシーはこのように述べられています。
つまり、体に本来備わっている臓器や関節の構造が正しい位置からずれることで、さまざまな病気や症状が引き起こされる原因となると考えられています。
オステオパシーは単なるテクニックではなく、一般医学とは異なる考え方やアプローチを持つ医療体系として理解して下さい。
オステオパシーとの相性
- 今まで他の治療法を何度か試したが効果がなかった
- 病院に行っても不調の原因がわからない
- 全身治療の考え方に共感がもてる
- 代替療法に興味がある
- 身体を良くする為の努力を惜しまない
- 自分自身の可能性を信じる事ができる
- 身体のゆがみが気になる
いずれかに当てはまる方は、ぜひ一度オステパシーの施術を受けてみて下さい。
きっと、今より良い生活が送れるはずです。
反対に
- 全身マッサージをしてもらいたい
- とにかくリラクゼーションを受けたい
- 自ら改善に向けての努力はしたくない
- ただ痛みを取ってくれれば良い
- 症状に対してのみ施術して欲しい
- 数回通院するのは面倒くさい(症状が重くなければ1回の治療で終了する事もあります)
などの方にはオステオパシーでは満足できないと思います。
施術を受けないようにして下さい。
痛み、シビレなどの不快感は体が「どこか治してほしいところがあるよ」と伝えているサインです。
これは必ずしも悪い部分にでるとは限りません。
オステオパシーとはその根本原因をみつけて施術する方法。
その原因となっているゆがみや硬さを残したままで、症状のある部分のみに「対処」するものではないのです。
グイグイとマッサージされる気持ちよさを求める方や、痛み止め麻酔を打つような感覚で、その場の痛みを無くしたいという方には合わないかもしれません。
当院の提供できる施術と、皆さまが求める施術にミスマッチがあるともったいないので、出来るだけ細かく多くの情報を載せています。
オステオパシーの歴史や現状の部分は興味のある方だけ読んでいただけば良いのですが、《施術について》の部分は必ず読んで頂いた上で受けるようにして下さい。
内容が難しくて理解しにくい方は、お電話や公式LINEからご質問頂ければおこたえします。
オステオパシーの歴史
オステオパシーは1874年にアメリカの西洋医学の医師A.Tスティルにより創始されました。
スティル医師は、
「病気になる人、ならない人の違いはなにか?」
「同じ病気になっても治る人、治らない人の違いは?」
「手厚い医療を受けたにも関わらず、命を落としてしまう人がいる一方、満足に医療を受けられなかったのに回復している人がいる、この違いはなぜか?」
という疑問を抱き、研究を始めました。
関節の悩みや内臓の症状を訴えている患者さんを調べてみると、必ずどこかに正常な働きをしていない関節がある事に気がつきました。
研究を重ね、関節を正常な位置に戻す方法を考案し患者さんに施すと、痛みだけでなく、内臓疾患や伝染性疾患にも効果がありました。
これが、ギリシャ語のOsteon(オステオン)「骨」、Pathos(パソス)「病気」という二つの言葉から生まれた「Osteopathy(オステオパシー)」の起源です。
はじめの頃はスティル医師の理論を認める医師や患者さんは少なかったのですが、自らの信念を貫き、独りで治療を行い、全米を回りました。
その後、ミズーリ州のカークスビルに落ち着きました。やがてそこには全米中から患者さんが集まり、田舎だった地にホテルや食堂が出来るまでになったのです。(辞退したそうですが、ノーベル賞候補に入った事もあるそうです)
日本と世界のオステオパシーの現状
イギリス・フランスなどのヨーロッパでは、国家資格として認められており、国民に広く認知され、多くの方がオステオパシーの治療を利用しています。
また、プロスポーツ選手やクラブチームでの施術でもオステオパスが活躍しています。(最近では日本人のトップテニスプレーヤーが手首の治療の為にベルギーでオステオパシーを受けていたとニュースになっていました。)
これに対し、日本ではまだ知名度が低く、法制化されていない為、正しいオステオパシーを行える者が少ないのが現状です。
当院では、正しいオステオパシーを行う為、海外のドクターや海外で勉強した講師からオステオパシーを学んでいます。
本場アメリカでも全ての国民がオステオパシーを知っているわけではありません。国土が広いので州によっても違うと思います。
しかし手技治療の効果を知る人はオステオパシーを選択しており、著名人にもファンは多いようです。
トランプ大統領のツイッターより引用
西洋医学とオステオパシーの違い
西洋医学では、症状のある部位やその周辺を検査し、何が悪いかを見つけます。
腰が痛ければ整形外科、腹痛には内科と決まっていて、基本的に縦割り構造になっているのはご存知でしょう?
腰痛で整形外科を受診しレントゲン等の検査に異常がなく、内科的疾患も除外されれば「大きな問題はない為、経過観察」となってしまうことは少なくありません。
これに対し、オステオパシーではその部分だけが問題とは考えません。
身体全体が膜という組織に包み込まれて繋がっている為、離れた部分から影響を受けて症状が出ていないか?を疑います。
過去におきたケガや日常生活での不良姿勢でおこった関節の捻れ、ストレスや良くない食生活からくる内臓の緊張、手術痕など身体のどこかで起こった組織の緊張が膜という組織を伝い離れた場所へ、二次的、三次的に問題を引きおこすと考えられているのです。
虫垂炎の手術痕が原因で肩が挙がらなくなったり、過去に足首の捻挫をして、その時にきちんとした位置に治さなかった事が原因で身体がゆがみ、腰が痛くなる事があるというわけです。局所で診るか、身体全体を診るかが西洋医学とオステオパシーの大きな違いと言えます。
もちろん、西洋医学より上位にあり、なんでも解決できるというわけではありません。重度の疾患をお持ちの方は、まず、医師の診察をお受け下さい。こちらで紹介する事も可能です。その上で、補完医療・代替医療としてオステオパシーを選んで頂くことをおすすめします。
施術の目的
最大の目的は、あなたの持つ自然治癒力を引き出す事です。
人間は誰でも、自己治癒力を備えており、病気(風邪や痛み)やケガをした時、薬や治療に頼らなくても大概は自然に治ります。
しかし、前述した様な理由で体のどこかに動きの悪い部分があったり、バランスがとれていない状態である場合、自己治癒力が抑えられ、なかなか症状が良くならない状態になっています。
その動きの悪さを取り除くことにより、治る力を引き出します。
「症状=結果」であり、本当の「原因」ではない場合が多いため、その部分を無理に触らない方が良い。
「異常を見つけ、それを矯正しなさい。そして自然に任せなさい。」
A.T.Still医師の言葉です。
(例)腰椎ヘルニアが神経に触り、腰から脚にかけて痛みとシビレがある場合
①対症療法では・・・腰から脚にかけて電気治療とマッサージをする
②根本的治療とは・・・身体のバランスが崩れている事がヘルニアの原因と考え、動きが制限されている関節や臓器をオステオパシーのテクニックにより良い動きにする
これにより、症状の改善はもちろんの事、ご自身で認識していなかった悪い部分の発見と治療が可能です。
その結果、心身の調和を取り戻し、健康的な生活維持する事が出来るようになります。
痛みや痺れなどの症状がなくても、ゆがみやバランスの悪さ自体が気になっている方にもオススメです!
施術の流れ
- ハイヒールのような機能性の悪い靴やガードルのような身体を締めつける服、ジーンズのような動きの悪いズボンで来院しないで下さい。(ジャージなどの動きやすい服装で来られるか、お着替えをお持ち下さい)
- 問診表の記載をお願いします。予約時間より少し早めにご来院ください。(10分前)
01 問診
現在の症状や過去に起きたケガや病気について伺います。
02 検査
身体のバランスや関節の動きなどを確認していきます。
03 手技治療
身体に悪い影響を与えている部分から順に治療していきます。
04 再検査
治療後の身体の変化を確認していきます。そのときの状態と今後の治療計画についてお伝えします。
オステオパシーは基本的に手で行う施術です。
非常にソフトなものから、比較的強い力を使うもの、関節矯正する際にパキッと音がするようなものなど色々な技法が伝えられています。
関節だけでなく内臓や頭蓋骨からの治療など患者さんの状態に合ったテクニックを使用しますが、強い力が怖くて苦手な方には全てソフトな技法で施術します。
その為、小児や高齢者、妊婦さんでも幅広い年齢の方に適応できます。
適応症例
症状が出ている部分やゆがんでいる部分を、直接的に強く押したり揉んだり動かしたりしてごまかすのではなく自然治癒力のジャマをしている部分を施術し、身体の機能を高めていく。
その場しのぎではなく、ずっと健康でいたい。そんな方にぴったりの施術です。
最善の治療を提供する事をお約束します。
施術料金について
当院のオステオパシーは、「筋肉や関節」のみを矯正する通常の「整体」ではなく、医学知識と触診能力が必要となります。
オステオパシーは、患部のみ施術する患者さん3~4人分の時間を要します。
オステオパシーの施術は流れ作業的なものではなく、個々の状態把握からテクニックを施すまで完全にオーダーメイドの治療なのである程度まとまった時間が必要なため、一日に診る人数も限られているからこその料金設定となっております。
例えば腰痛になり、医療保険で受けられる整形外科の施術を500円で何回も受けたとして、、10回(5,000円)、20回(1,000円)効果が出でいれば良いですが、腰の筋肉だけの問題でなかった場合、あまり変化がみられない又は再発を繰り返すはずです。
どうしても一回一回の施術料金ばかりに目が行きがちですが、ご自身の状態を改善に導くための「的を射た」内容なのかを考えて選択してください。結果的にトータルの出費は少なくて済むはずです。
手術と比較しても同様で、ヘルニアの手術を受ける場合は保険適用でも数十万円の費用がかかります。(オステオパシーを50回受けるより高額)しかも、ゆがみなどの原因を残したままでヘルニアを切ってしまうので後遺症が残る事もあります。
術後良好の患者さんも大勢いますが、「手術をしても症状改善しなかった」といって当院に来られる方も多いので注意が必要です。
オステオパシーを続けても改善しなかった場合に「最終手段」として手術を検討されると良いでしょう。
※手術不要論者ではありません。確実に手術が必要なケースはありますが、真っ先に選ぶべきではないという考えです。
ゴール設定(終了するタイミング)
オステオパシーという医学としての目標は、あなたの持っている身体の機能を最大にして回復を助ける事であり、症状だけを感じにくくする事ではありません。
多くの方は「症状」や「改善したい何か」があって来院しますよね?
患者さんに寄り添った目標として出来るだけ少ない施術回数で悩みや症状を解決すること。(3~5回)
その症状や悩みが解消されたと実感出来たら、一つの目安として通院を終了するのも良いでしょう。
何かあったらまた来てください。
来院時より症状は落ち着いたが、毎日負担のかかる仕事なので「ケアしていきたい」と通院間隔をあけて施術を続ける方もいます。
もともとが大きな症状はなかったけど、「健康維持の為に」と終了期間を定めずに、定期的に施術を受ける方もいます。
理想的な施術計画は・・・
週に1回の施術を3~5回行う事で悩みをある程度解消し、その後は2~4週に1回くらいのペースでメンテナンスをすることです。
このようにすれば、症状が落ち着いた後、仕事の負担が強くてまた痛くならないか?と不安な方でも大きな症状が出る前に身体の状態を良くしていく「予防医学」となるのでオススメです。
それでも使える時間、お金、健康に対する考え方などは「人それぞれ」なので、無理に通院を続ける必要はありません。
ご自身に合ったゴールへ向けてお手伝いしていきます!