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今回は、一週間前から頭痛でお薬を飲まないと動けない状態だった30代女性の症例をあげながら、頭痛症状の原因をどのように考えて治療を組み立てているかを紹介します。

頭痛でお困りの方の基礎状態

既往歴 

メニエール病 突発性難聴 マイコプラズマ肺炎 鼓室炎

仕事は正社員で、朝から夕方まで。

帰宅後は家事育児に忙しく、特に最近は多忙な日々を過ごしていた。

元々の片頭痛持ちではなく、一週間ほど前からひどい頭痛が現れて、毎日頭痛薬を飲んでいた。

オステオパシーの頭痛へのアプローチ

オステオパシーのアプローチを行う際は必ず、全身的な検査をします。

症状が頭痛であっても、頭や首や肩周辺だけに何かをするのではなく、オステオパシーの機能障害の部位に対して施術をしていく必要があるため、全身的な検査からスタートして施術部位を決めていきます。検査は器具を使って行うものではなく、触診や身体の動きを観察して評価します。そして、オステオパシー特有の「膜」という結合組織の引っ張る方向も検査しています。これは、頭蓋骨から硬膜という組織から身体の中を傾聴(身体の中の動きを感じる)して行います。

検査をして機能障害の部位が見つかったので、今度をその部位を正常化させるように施術を行います。

オステオパシー機能障害を正常化させるとは、流れが悪い所をながしたり、位置が悪い所を良い位置に戻したり、動きが悪い部位を良い動きにしたり、様々な機能障害に対して数多くのテクニックを駆使して行うことを指します。

実際に、この女性に行った方法は

1、頭蓋骨(蝶形後頭底結合)の調整

頭蓋骨は一つの骨で出来ているのではなく、いくつもの骨が組み合わさって成り立っています。手足の関節などと違い、骨同士は縫合されている為、構造的に動く事はありません。しかし、オステオパシーの体内触診に置いては、非常にゆっくりとした骨の動きを検出し、その動きが乱れているのか正常なのかを評価しています。この部位はCRIというリズミカルな動きを持っており、脳脊髄液の循環や自律神経の働きに大きく関与すると言われています。

この女性は頭蓋骨の深い所で圧縮が起こっており、頭全体の動きが弱くなっていました。一番最初にその部位の圧縮を取り除き、少し左に捻転しているのも解消しました。

2、頸椎の調整

首の骨は、7つの椎骨が縦に組み合わさっています。ここは、頭の骨を乗せているほかに、動脈、静脈が頭へと通り、心臓との血液交換をしています。そして神経の通り路でもあり、脳神経は頭蓋骨から出たらまずは首の骨を通過して、より下方へ、そして首から腕などへの末梢神経へと枝分かれしていきます。

この女性の場合は、首と背中の境目である、第七頸椎(C7)の位置と頭と首の境目である、環椎後頭関節(OA)の位置が悪くなっていたので、矯正しました。その際、スラストという瞬間的に力を加えて「パキッ」という音がなるようなテクニックではなく、ゆっくりとした力で骨自体が行きたい方向に導くようなテクニックを用いています。

3、左の胸膜と心膜

胸膜とは、肺を包み込む膜。心膜は心臓を包み込む膜。このエリアでは胸膜と心膜は互いに滑り合い、胸郭の動きを助けています。これらの膜に動きの制限があると、肩や背中の回旋運動に制限が出てきます。また、胸郭内臓の循環不全や呼吸の制限も引き起こします。

構造的には首の筋膜も繋がっている為、胸郭内のリリースは頭痛の軽減にも重要な施術となります。

初回の治療では、全身の検査や問診、インフォームドコンセントと上述した個所の施術を行い終了しました。3~4回の施術で改善出来そうだという感覚を持った為、二回目のご予約を取って頂き、1週間待ちます。

結果と考察

結論からもお伝えすると、初回の施術の翌日から頭痛は消失し、1週間経った状態でも不具合なく生活出来ているとの事でした。2回目の施術は腸管など骨盤内臓の施術はしておきたかったので、そのあたりの治療をしてケアして終了です。今後は様子を見ながら、メンテナンス的に時々来ると、生活のクオリティが上がり、良い自己投資なるので来ると良いよと伝えております。

今回は一回の施術で頭痛が消えていましたが、この方のケースでは、初期症状だったので結果が早く現れてくれましたが、施術個所が多い方やかなりの慢性的頭痛の方は、数回の施術が必要なケースもあります。

では、なぜ改善したのか?原因は何だったのか?

当院で一番最初に行う施術個所は、一番強いと感じた機能障害から行っています。すなわち、この女性の頭痛原因は、頭蓋骨ないの問題が大きかったと考えられます。

頭蓋骨ってどうやって硬くなるの?そもそも動くの?オステオパシーを学んでいない方は理解できないと思います。前述した通り、頭蓋骨はとてもゆっくりとした動きをもち、身体の中の流体的な循環の起点になっています。頭蓋骨の内側は硬膜、脳の外側も硬膜といいます。脳と頭蓋骨は隙間なく、硬膜によって連続しています。

頭部外傷を受けた場合も、この部分に影響を受けて、頭蓋骨はゆがみます。外傷を受けていなくても様々なストレスを受けて、心膜などの自律神経の緊張から胸郭や硬膜、頭蓋骨は硬くなり、制限をもつというのが、オステオパシー的な考察となります。

もちろん、MRIやレントゲンの画像診断で問題として出てくるものではないので、一般的医学的には診断が出来ない領域ですが、伝統的なオステオパシーでは、頭蓋仙骨療法として伝えられています。

もし、頭痛薬や一般的な治療で改善しない頭痛でお悩みの方は、一度さくがわ接骨院へご相談下さい。