一般的によく使われる「肩こり」という言葉は、誰もが知っている症状の一つです。単純な症状と軽視されがちですが、単に筋肉の疲労だけでなく、他の原因によるものやマッサージだけでは改善しづらいこともあります。ここでは、肩こりの原因や対処法、施術方法について詳しく説明します。
肩こりとは
肩こりの原因
肩こりは体の表面に痛みや不快感が出てくるため、原因も筋肉や関節の動きにあると思われがちですが、身体の中の神経システムや内臓由来の原因で肩こりになっている方も多いのです。
赤ちゃんを抱っこしていなければいけないお母さんなども、自分以外の原因で姿勢が悪くなったり、重いものを抱えることで、筋緊張を起こしています。
ストレスがかかるときは、交感神経という体のアクセルをオンにする神経が働きます。本能的に戦うか逃げるかの役割をつかさどる神経の影響で、身心の緊張感が高まり、肩こりを起こします。
冷えも交感神経を高めて、鳥肌をたて、熱を発生させようとします。身体はこわばり肩こりを起こします。
ある一定の筋肉や関節のみを常に使用し、他の部位を使わない状態では、動きの少ない部位の硬さが生じます。また、使用頻度が多い部位の腱鞘炎や関節炎が起こることで、各関節の連動性が低下するため、肩こりの原因になります。
肩こり予防法
肩こりを防ぐためには、上述した原因の逆を考えれば大丈夫です。動きの少ない部位や姿勢の悪さを解消するために運動を行いましょう。
肩こりへの施術
肩こりの原因でお話しした通り、一般的には肩こりは肩周辺の筋肉がこわばっているというシンプルな考えしかされませんが、本当の原因としては、自律神経を原因とした問題が多くあります。その改善のためには、やはり肩もみだけでは不足があります。さくがわ接骨院では、自律神経を整えるためにオステオパシーのテクニックの一つである内臓マニュピレーションを用います。
海外の研究では、ご遺体の解剖も行われており、その中で注目するべき事例がありました。心臓疾患を持って亡くなった方は当然心膜が硬くなっていますが、首の骨に骨変性(骨が硬くなっている)がみつかっています。これは、首の骨と心膜を繋ぐ、椎骨心膜靭帯の付着部であり、心臓の硬さが頸椎を引っ張っていたという証拠になっています。逆に考えると、生前のストレートネックや肩こりの原因は筋肉だけでなく、心臓などの内臓から影響を受けていて、その硬さを緩めることが出来なければ、どんなに方の筋肉をマッサージしても効果的ではないという証拠にもなります。
また、心臓は横隔膜に乗っかっており、横隔膜は胃や肝臓などの臓器をぶら下げる役割をもっています。これらのどこかに硬さや引っ張りがあれば、首の方まで影響がでるのがお分かりかと思います。
オステオパシーのテクニックには、血管やリンパ管に直接アプローチするものもありますが、その管の通り道を広げてあげるアプローチするのも効果的です。
背骨の周りには、肩こりの際に不快と感じる肩甲挙筋や僧帽筋などの筋肉があり、筋肉は関節を動かす役割があるため、背骨の関節をキチンと動くようにしてあげることは、筋肉の緊張緩和に繋がります。
それだけでなく、背骨の前方には交感神経管という自律神経の管が通っており、背骨の不均衡がこの神経を圧迫したり、機能低下をさせる要因になっている可能性があるため。背骨の調整が必要となります。
様々な原因へのアプローチを行ってから、実際に症状が出ている筋肉や筋膜へのアプローチも効果的です。