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腰痛でお困りの方は非常に多く、まわりに一人も腰痛の人がないという方はいないのではないでしょうか?日常的に当たり前に存在する「腰痛」。当たり前がゆえに腰痛という一言でシンプルに考えられている傾向があります。そして、腰痛をターゲットにした施術、整骨院などのサイトが多く存在し、たった数回のマッサージやストレッチで、95%の人が改善!などとマーケティング合戦が繰り広げられています。本当に腰痛がシンプル片付くのか?ある方の症例をあげながら、どのように原因を探しているのかをお伝えしていきます。

腰痛の主な原因

腰痛の原因は多岐にわたります。一般的な原因をあげておきます。

  1. 筋肉や靭帯の痛み: 筋肉や靭帯の緊張、損傷、炎症は、腰痛の主要な原因の一つです。長時間の不適切な姿勢、過度な運動、急激な運動、筋肉の弱化などが関連しています。
  2. 椎間板の問題: 椎間板は脊椎の間にあるクッションのような組織で、椎間板ヘルニアや変性による椎間板の問題が腰痛を引き起こすことがあります。これらの問題が神経に圧迫をかけることがあるため、腰から放射痛が生じることもあります。
  3. 骨盤の異常: 骨盤の異常や歪み、機能障害などが腰痛の原因となることがあります。
  4. 疾患や病気: 腎臓疾患、子宮内膜症、膀胱感染症、腸の疾患など、内臓器官の問題が腰痛を引き起こすことがあります。
  5. 神経の問題: 腰椎管狭窄症や坐骨神経痛など、神経に圧迫が加わる事で腰痛が出てくることがあります。
  6. 外傷や怪我: 転倒、事故、スポーツの怪我などが、腰の組織や構造に損傷を与え、腰痛を引き起こすことがあります。
  7. 生活習慣: 運動不足、肥満、喫煙、不健康な食生活、長時間の座り仕事など、生活習慣が腰痛のリスクに影響を与えることがあります。

オステオパシーの腰痛へ診断

通常の整形外科での診断は、上記のように筋肉や関節、靭帯や椎間板の異常などをみつけるために画像診断などを用います。

しかし、オステオパシーの考え方は、一般医学では動かないとされている仙腸関節や恥骨を重要なファクターとして診たり、神経学的な圧迫も、ヘルニアや梨状筋症候群だけでなく、腎臓の筋膜の捻じれが引き起こしているものと見極めたり、坐骨神経そのものの捻じれなども評価していきます。神経の評価は一般医学的にも行いますが、背骨に近い中枢から、足に近い末梢の神経へ症状が伝わるものとされています。オステオパシーの考え方では、逆に足根部のズレが股関節や腰への影響を与えているという見方もしていきます。

それに加えて、内臓のゆがみと背骨のゆがみは重要な関係があり、婦人科系の疾患を持った方、または手術した方は腰痛の原因としてみるべきポイントとなっています。

40代男性の右腰の痛みの例

実際に治療した男性の例を説明していきます。

40代男性、症状は右腰と股関節の痛み、右下腹部の痛み、右下肢の鈍痛。

症状が出た日は、ダンベルを片手で身体の真横に持ち上げる動作をしたとのこと。翌日から強く痛みだし、ギックリ腰のように動くのがきつくて、二日ほど仕事を休んだ。しかし、ダンベルを持ち上げる時に痛めた感覚はなく、本当に負傷の原因だったかははっきりしていない。右の下腹部も痛くなり、虫垂炎ではないかと不安になっていた。

最初は、通常の整骨院の施術(筋肉へのマッサージ)を受けていた。腰からおしり、ふくらはぎまでマッサージと電気治療を受け、気持ちは良いが痛みはなかなか良くならなかったので、当院のオステオパシーを受けることにしたそうです。

初見では、問診時に状況を頭に入れて、実際に症状が出ているところはもちろん、身体のバランスを全身から診ていきます。

痛む部位や腹圧が高まった状況から鼠径ヘルニアも疑いましたが、立った姿勢での膨らみはありません。しかし、恥骨の周辺からへそのやや下の右側に痛みが出ていたので、虫垂炎も可能性はあると思いました。虫垂炎の初期症状はみぞおちの部分に痛みや不快感が現れることが一般的に言われていますが、人間の身体は全てが定型的なものではないと思っているからです。

痛みのある部分を触診しても、虫垂の部分にはっきりとした圧痛はありません。

ここから施術に入っていきます。まず、下腹部の痛みが腰と関係があるのか、内臓の病気ではなければ、何が原因かを考えました。わずかに膝の内側の痛みも感じており、神経学的に恥骨周りや膝の内側や骨盤の側面に繋がっているポイントを考察すると、第三腰椎のエリアや大腰筋のレールにある腎臓の位置異常などが考えられたので、腎臓の施術をしました。

そして骨盤や腰椎の位置も正常に戻して、初回の治療を終了しました。その後腰の痛みはかなり軽減したそうですが、下腹部の痛みが変わらず、ふくらはぎの痛みやつる感覚が時々強くなるとのことでした。

二回目の施術で、下肢の関節や頭蓋骨の施術を行い、経過を見てみる事にしました。下腹部の痛みと感じていたのは、右の股関節の痛みにも感じるというぼんやりと広いエリアに感覚が変わっていました。そして、仙骨の痛みが刺すように時々出てくるとのこと。これは、すこし身体をかがめたときに現れる。反ると無くなるという微妙な感覚です。

やはり、股関節の位置なのか、恥骨の位置がまだ上手く治っていないのか?一回の施術で手ごたえがあるものもあれば、今回の様に手探りで少しずつ経過を見なければ見つけられない機能障害もあります。

三回目の施術では、もう一度、神経学的なエリアの問題を確認していて気が付いたのは、右側にある上行結腸(盲腸)の部分が、かなり左にズレており、下方にも落ち込んでいるという事でした。普通は内臓を触る際には、ヘソや骨の突起など、目安になるランドマークがありますが、かなり通常の位置とは変わっていた為、なかなか見つけられずにいました。盲腸の部分を上方右側に引き戻し、肝臓に近い部分の上行結腸は前方にズレていたので、これを元に戻して終了しました。

このアプローチが功を奏して、股関節周辺の痛み、仙骨の刺すような痛みが無くなり、筋トレや運動が制限なく出来るように回復しました。ここまでで、負傷から一か月、施術開始から三週間が経っていました。もちろんこれだけ時間がたっていれば、自然回復の可能性もゼロではありません。

しかし、施術の介入から直後の変化をみたご本人のフィードバックと、医学的な考察で施術ポイントを一つずつ取り除いていけたという確信がある為、自信をもってお役に立てたと言える症例です。

オステオパシーは、解剖学的な知識と理論、問診から状況判断して機能障害の可能性を考察する能力、触診して機能障害の部分に介入できるテクニック、リリースする能力など様々な要素が組み合わさって成り立っています。それをもってしても、一回の施術での変化が軽微で、なかなか痛みがとれない事もありまずが、諦めずに次の手を考えられるのが良い治療家だと思っています。

それだけ人の身体は複雑であり、「腰痛」というシンプルな言葉で片付けられないくらい千差万別の原因が存在しています。冒頭で述べたように、腰痛をターゲットにしたホームページを持つ整骨院や整体に通ってみたが、なかなか治らないという方は、一度、宜野湾市のさくがわ接骨院へご相談下さい。